| この学園は女子のスポーツクラブが大変盛ん。男子もいるのだが、差は歴然としている… また、公式な記録を残せない規格外の女子生徒も多く抱える。真実や紗耶佳、涼子、オリビアなどがそうだ。男子はそれなりのクラブ活動を送り、楽しんでいる。
速水裕介は高校からこの学園に来た。プロレス同好会に入ったが、クラブが優先して使うという規則があるのでどうしても場所を使う時間が限られる。それに我慢ならなかった裕介は、初等部(小学校)に目をつける。 放課後の初等部のレスリング部に入り込んだ裕介は普通の小学生らしい体格の小学生達を蹴散らした。文句を言おうといた子もいたが裕介のひとにらみで黙ってしまう。そこに設置されているリングやトレーニング器具も揃っており、小等部とは思えないほど充実していた。 「へえ〜いいとこじゃないの。ガキに使わせるにはもったいねえな」裕介がリングの感触を楽しんだ。 「あ…あの、そこ使うんですけど…」一人の小学生の男の子が恐る恐る声をかける。 「今日から俺らが使うから、はしっこでやってろよ」そちらも見ないで答える裕介。 「先生呼びますよ…」 「お、ここの担当の先生には『当事者で話し合え』ってよ」 「話し合ってないじゃないですか」 「なんだ?身体鍛えにここ来てんだったら身体で話しあおうじゃね〜の!おら!」男の子を睨み付け脅す。 裕介は170くらいでやや体格のいい体つきだが、小学生にとっては大きい。普通の体格の小学生がかなうわけもない。当然、裕介はこの学園が女子のスポーツクラブが有名なのは知っていた。だから初等部で大きな顔をしているわけだが… 不幸な事に、彼は『規格外』の女の子達がこの学園に多い事をしらなかった。(なぜなら設備などが別の区画にあるので、普段見ない) 「使いたかったらかかってこいよ。勝負してやる。ボコボコにしてやるからよ」弱者には強く出る裕介(笑) そこに、大きな影が現われた。優美だった。別の子が呼びにいって、その時、たまたまいたのが初等部でも一番の筋量を誇る優美だった。 「じゃあ、あたしと勝負してください先輩」優美はすでに話を聞いて来た。田舎にいた頃から苛めっ子は許さなかった優美である。その巨体揺らしながら裕介に近寄った。笑顔だが、目が笑ってない。 裕介は優美の巨体を見て思わず後ずさった。かわいらしい顔の下にはとてつもなく巨大な筋肉に覆われている。上腕だけでも裕介の胴体より太い。裕介にとっては見た事もないような体つきだ。
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| 「ななな、なんだおまえ?」
「初等部4年の優美で〜す」そのままリングに入る優美。そのまま裕介をコーナーに追い詰める。 「しょ、小学生!?う、う、うそつけ!」コーナーに持たれかけ訴える裕介。 「正真正銘10だぞ。その子は」体育館の入り口をくぐってナオミも現われた。高等部の男子が初等部の体育館でなにか問題を起こしていると聞き、駆け付けてきたのだ。2.5m級の褐色の巨体はやはり巨大な筋肉に覆われている。優美よりふた周り以上大きい。正に巨人だ。裕介はぽかんと見上げ、腰が抜ける寸前だ。 「私は高等部の体育を担当する藤原だ。覚えておくように」裕介のいるコーナーの背後に周りこみながら言った。 「その体格で勝負したいとはいい根性だな」まわりこんだのは裕介を逃がさないようにするためだ。 「私がみてやるから、遠慮なく勝負しろ」にやにやと、リング下にいながら裕介を見下ろして言った。裕介の目の前では優美が悠然と立っている。逃げ道はない。 裕介はそれでも形だけ攻撃はした。しかし優美の分厚すぎる筋肉の鎧には全く通用しない。それどころか、優美がタイミング良く筋肉を躍動させると逆に裕介が弾き飛ばされた。 転がった裕介の上にすかさず優美が寝転ぶ。150kg以上ある優美の巨体が裕介を覆う。 「ぐう〜っ」小学生にいいようにあしらわれ、その巨体の下から逃れられない。 「どうしたんですか?先輩。ボコボコにするんじゃなかったんですか?あたし、のっかってるだけですよ?」優美はくすくす笑いながら言う。こらしめる瞬間はなにより楽しい。 「うぐぐぐ〜」裕介は優美の身体をわずかに揺らす事くらいしかできない。 「じゃあこっちの番でいいですか?あたしボコボコより締め技が得意なんですよ。腕で締められたいですか?太股?それともこのまま背中でぺちゃんこになります?」いたずらっぽく言い、大きく力こぶをもりあげた。屈辱と恐怖と苦痛から動けなくなる。 勝負はついた。ぐったりした裕介をナオミが引きずり出す。 「よかったな、まだ優美が相手で。真実とかだったら本当に潰されてるぞ」説教しながら、落ち込んだ裕介を連行する。「あんまりバカな事すんじゃないよ。わかったな!」 バシン、と裕介の背中をどやしつける。ぎゃっと一声。これが一番きつかった。裕介の背中には巨大な手形が残った。 |
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| おしおきされる裕介くんの図。この状態もはっきり言って動けないでしょう。
お絵書き掲示板が途中でおかしくなり上書きもできないので急遽それをいじってこれに。 下の裕介くんはいわゆる『懲りないやられ役』です。いらん事や行動をしてボコられるのが仕事(?)です(笑)太郎君と同じく不死身属性で、もろいけどある意味頑丈です(笑) |
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